2006.02.24

お金で買えない物はない


書評:会社はだれのものか・岩井克人著・平凡社

会社はだれのものか・岩井克人著・平凡社 お金で買えない物はない」という言葉は「お金は物しか買う事しかできない」という意味を内包していて実はそれが重要な意味を持っている。あーそうかぁ!って久しぶりに思わさせてくれるものでした。ホリエモンの「お金で買えない物はない」の発言にどこかしら違和感を覚えつつも、ナベツネのホリエモンに対するこの発言に対する反発も納得できなかった。「たかが野球選手」と言うような人にこちらとしては共感は持てない。でも、この言葉には本質的に逆説的な意味合いを内包している事を理解していれば見通しはよくなる。

法人とは何かを多くのスペースを割いて明確化しようとしている。また現状の株価至上主義やMBAに代表されるような会計技法主導の経営に警鐘を鳴らしている。しかしながらこのグローバル化の流れに認識もなく飲み込まれている日本の進む道を明確に示しているわけではない。この書物の特筆すべき点は2005年6月に初版発行されているにも関わらず、米国エンロン事件との類似性が高いと言う事もあるとは思うが、あたかもライブドアの手法に対して暗に反発したように書かれている点で、現在のライブドアは当然の帰結だと言わんばかりである。そこから考えるとグローバルスタンダードとして世界中を蹂躙している米国流経営手法を非難しながらも、過去に隆盛を極めたが現在落ち目になっている数社を事例としてあげているだけで、現状の企業に対しては何も突っ込んでおらずもう少し欲しいところではある。あと、本質的に上場企業と非上場企業とでは同列に並べられないと思うがそこら辺の違いも欲しかった。究極的な資本主義化は多くの自己矛盾を抱えている事を著しつつ、そのよりよい接点を探すように促している。

会社はこれからどうなるのか・岩井克人著・平凡社一読する価値はあるし、私は何年かうちにもう一度読むように感じている。しかし著者である岩井氏の前著である「会社はこれからどうなるのか」の引用が多いのでこちらを先に読んだ方がより理解しやすいようだ。私自身も読んではいないのでこちらはここまでにする。

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