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2007.11.12

偽装列島から日本を救えるか!?

今のトレンドは「偽装」である。昔からあったのだろうが大きな流れとしては雪印の件からだろうか。細かい案件を経て不二家、白い恋人、ミートホープ、赤福、比内地鶏、吉兆…と取りこぼしもあろうがそんなところか。偽装と言ってもこの中には原材料や賞味期限など様々である。他にもグッドウィル&コムスンやフルキャスト等の労働偽装があった。あとは厚生労働省や防衛省、都道府県の裏金、大阪市や奈良県の仮病…いっぱいあるなぁ。偽装している会社があれば今のうちに言った方が良いんじゃないのか?と思うが…。

一時期は中国に偽装が盛んに言われていたが、今は日本が花盛りだ。中国のスパイが暗躍しているのかと思えるくらいだ。そういえば北朝鮮の拉致の問題の最中に新潟で9年ほど少女を監禁していた事件もあったがその流れに似ているような気もする。

「偽装」と「発覚」をマトリックス的に考えると4つのパターンになる。

  1. 偽装しない。発覚しない。
  2. 偽装しない。発覚する。
  3. 偽装する。発覚しない。
  4. 偽装する。発覚する。

で、2.は取消線を入れているようにあり得ないパターン。強いて言うと「ガセネタ」となるだろうか。

偽装が発覚する理由、今までしなかった理由。

これは非正規雇用の増大が一番の要因だと思う。正社員は会社がつぶれるとその会社に依存しているために再就職は難しい。別に再就職が無理とは言わないが今の条件を維持できる人は少ないと思われる。例外もいるかとは思うが、大学生や高校生の子供がいる50歳くらいのサラリーマンが学費を維持できるほどの再就職先を簡単に見つけることは困難だろう。しかしパートや派遣の非正規雇用では会社がつぶれることのインパクトはさほど大きくない。途中は省くが愛社精神や会社への忠誠心は低い。そこで粗末に扱われれば当然関係省庁へ密告する者が現れる。ここら辺が経営者と労働者で大きく食い違っているように感じるところなのだが、経営者は労働力を安く買いたたいている割りには、その労働者は以前と同じような忠誠心を持っていることを期待しているようだ。その様な労働者は自分が安く買いたたかれているのは知っているわけだから、もっと良いところがあればすぐにそちらに移るだろうし、気に入らないことがあればそこら中にまき散らすことになるだろう。正社員であれば正義心からタレ込みなどをしても自分の生活が危うくなることも考えるからその基準は非正規雇用よりは低くなるはずである。

偽装する理由。

企業は利益を追求する集団であるが 利益=売り上げ-必要経費 であり、偽装は必要経費を下げるために効果的に使われる。もちろん偽装することにより経費削減が可能となり価格を下げて売ることによって、結果的に売り上げが増大する可能性も十分ある。人件費を既に非正規雇用で抑えており、そうなると原材料費だが既にいろいろやっていって経費節減と言っても限界であろう。デフレの中で編み出されて依然として続けられているのが偽装であろう。ラーメン屋が大きくなるにつれまずくなるのは、1人で作れるスープの量は限界があるのに店舗の拡大でスープを薄めるからである。ラーメンのスープを薄くしても問題はないが、原材料の項目に書いてある物よりも安い代替品にすると例え不味くならなくてもマズい。

では誰が指示するのだろうか。ほとんどが会社の上層部か社長だ。よく言い訳で現場の者が始めたと言ったりしているが、その後に嘘が発覚する。偽装の偽装。評価されないので下層部の社員は一生懸命そういう仕組みを考えたり作ったりしないし、もし効率化できた場合自分の居場所がなくなることだってあり得る。それに赤福にしても吉兆にしても社内でそういう(偽装を日常化する)仕組みが出来ていたりしている場合もある。その仕組みにも予算は必要で誰かが許可を出さないといけない。では誰が許可を出すのか?

もちろん偽装が全滅することはないと思っているが、現在露呈している偽装の問題は共通点を見いだせる。時代的な流れで物流とネットなどの情報網が発展したために、ある程度のビジネスはそれに伴って発展している。数年前までは客の顔が見えるために下手な商売が出来なかった。ところが急拡大して客の顔も見えないために偽装してもバレないだろうという判断が働く。これは土木関係でトンネル工事はおいしいという話を聞いたことがあるが、実際に細部まで見えないためにそういう話になり、食品偽装との類似点を連想させる。

それでは偽装はなくなるのだろうか。

食品偽装のもう一つの共通点は、年寄りの経営者がいつまでも居座っていることにある。会社が潰れて路頭に迷う危険があるにも関わらず、どうしてそういうことをしたのだろうか…社員は注意をしなかったのであろうか…? しかしそこにいれば、会社が潰れるよりも先に社長に反抗してクビになる方がリスク的には十分高い(と、その場の者は判断しやすい)。先に述べたような社会基盤の発展により急拡大してしまった会社は自分の管理が出来ないくらいの規模になってしまうにも関わらず、自分で作り上げたという幻想に浸ってしまう。イジメにも似た一方的にやりこめられる記者会見でもかいま見られるが、ミートホープや東横インの社長や会長に意見できる人は社内にはいなかったであろう。

卑近な例で恐縮だが、祖父がビルの廊下や通路、トイレの床などを御影石張りに変更した。あまりにツルツルで危険だと感じたし、当時NHKのクローズアップ現代で同様の問題を取り上げていたのを偶然テレビで見たのでやめるように言ったが、「滑る奴が悪い」とか言われて、会社が訴えられるとそれはつまり私が訴えられるという話をしたが(名前だけは代表権があるので)、「だったら(私が会社を)やめたらいい」と言ってキレた。年寄りには御影石張りが富や成功の象徴でありそれが嬉しいのだろう。雨の日にマットをひかないと滑る。滑り止めを貼ったら「これはお前のビルなんか!?」と社員が怒鳴られたそうである。

総括

こんな些細なことでも覆すことは出来ないのに、会社の根底を揺るがすような偽装問題で社員が覆せるとは到底思えない。つまり硬直化した会社にも関わらず、その状態のまま生き残ってしまった悲劇なのではないかと私は思っている。当分はこの様な偽装問題はうたかたのように現れては消えていき日常の問題となり関心もなくなるのではないだろうか。

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