2008.01.05

Vista離陸失敗について考えてみる

Windows Vistaが発売されて1年近くになる。ボリュームライセンスは2006年11月にリリースされたから実質1年以上だ。ちょうど1年ほど前に現在メインで使用しているThinkPadのT60を購入して使っているが、同時にVistaアップグレードキャンペーンでライセンスを購入してインストールDVDは持っている。どっかの死にかけの機械に入れてテストしてもいいが面倒だ。私もよくわからないのに近所の友達と父親が使っていて聞いてくる。わからないのならXPを使ってよ…って思うのだが…。早速、Service Pack 1が出るそうであるが、進捗の方はよくわからない。

さて、マイクロソフトが息巻いていた割りには思うように売れていない…というニュースなどをよく読む。いろいろ言われていることもあるがどの部分が重要なのだろうか。

まず、高性能なハードウェアを要求される。Win2000pro辺りはまだパソコンその物がコモディティ化(大衆化)されていなかった。どちらかというとWin98などからXP(Home)に飛ぶ人が多いか、初めて家庭用で買う人も多かっただろう。さすがにWin98というとペンティアムでも1GHzいっていない機器も多いと思う。ということで、XP購入の際には即ちハードウェアも購入したわけだ。ホームユーザーは基本的にハードウェアを買い換えない限りOSも買い換えることはない。

企業ベースになると比較的Win2000とXP(この場合Proバージョン)が親和性が高くドライバなどの問題も少ない。そもそも内部バージョンがWin2000はNT5.0でXPはNT5.1であることかしても、XPは単なるマイナーチェンジに他ならないことを示している。しかしVistaは大きく変わっていて別物であり、既存のXP用のドライバなどは流用できない。企業ユーザーでは管理が楽な物が好まれるわけで、現状にVistaを投入するとWin2000、XP、Vistaを三種類を抱えることになり、サポートコストが大きくなってしまう可能性があるし、情報部門もVistaの内部的な振る舞いを理解していないので導入を避けたい。

また、Vistaのエディションの多さも問題であろう。XPは特殊な用途をのぞいて大まかにはProfessionalとHomeの2エディションがあり、用途的にもわかりやすい。HomeはActiveDirectoryに対応していない(参考:Windows XP Home Edition で制限されている「ドメイン参加」機能についてWindows XP の機能比較)。ただHomeでもワークグループ内での共有は出来るみたいだが、Homeをまともに使ったことがないので実際のところ私もよく知らない。ここで言いたいのは、「HomeはProfessional版の機能制限版でしかない」と言うことを消費者は理解しているのだ。どういう事かというとVistaにはおおまかに6種類もエディションがある。

  • Starter
  • Home Basic
  • Home Premium
  • Business
  • Enterprise
  • Ultimate

そもそもエディションが多すぎてどれを選べばいいかもわからないのでUltimateがいい…とか、全部入りのUltimateを使わないとVistaの良さを堪能できない…となるが、それには高スペックのハードウェアが必要になる。つまり機能の制限された下位のエディションを買うくらいならXPのHomeでいいという風になる。

そして、ここで一番問題だと思ったことは、Vistaをネイティブの64bit機にしなかった(できなかった)ことが最大の問題だと私は考えている。アーキテクチャを大幅に変更するんだったら、ネイティブで64bitにして互換性の高い32bitエミュレーターを動かす方が良かったのではないのかと思う。それこそ仮想化技術でも使えば良かったのだろうが、まだ実用化には届いていないのかも知れない。32bit機はハードウェアの制約からRAM(Random Access MemoryRandom Access Memory )が3GB以上認識しない。現在大して上積みをしなくても2GBのRAMを載せることが難しくないのに、意識的に買い求めない限り64bitのVistaに巡りあうことはない。つまり32bitハードウェアにとって最後のOSがXPかVistaか…と言う話に集約される。Core2Duo機は基本的には64bit機だけど32bitOSを稼働させている限りはその制約に当てはまってしまう。問題なのは今回Vistaへの移行に失敗した上、64bit化を先送りしてしまっていて、次期バージョンも同様に互換性の問題を孕む可能性が高いと考えられる。結局の所、16bit機最後のOSであるWinMeのような最悪な立ち位置を32bit機のVistaは踏襲してしまうかも知れない。[参考URL:1GB=2,000円時代のメモリ増設を考える(上)(中)(下)]

立ち上げるのに1分以上もかかり人々を辛抱強くさせたことと、コンピューターは不具合だらけでクラッシュやフリーズは日常の物と認識させたことは、マイクロソフトの勝利の理由であり賞賛されることだろうが今後もそれが継続させられるのか…となると話は別であろう。ユーザーは高スペックのPCが欲しいのではなくて速くて軽いPCが欲しいのだから。

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Vista離陸失敗について考えてみる への2件のフィードバック

  1. 初めまして、
    「Takacello’s Blog」さま
    コメントありがとうございます。

    IT関係の仕事をしていますが、いまだに「XP」を使用しています。

    MSDOSのころからマイクロソフトのOSを使用していますが、
    98、Me:固まるOS(オモチャ)。
    XP:やっと固るのが少ないOS。
    Vista:たいして必要のないハードのスペックを要求するOS。
    「ギリギリまでXPを使うぞ!」と思っています。

  2. takacello♪ のコメント:

    コメントありがとうございます。Wordpressがスパムと判定したみたいですぐに表示できなかったみたいです。

    私も私の会社も当分はXPでいくと思います。
    Vistaも起動が10秒で出来るなんて言うと馬鹿売れするでしょうけどね。
    サスペンドを使えとか言っているみたいですがすぐに不安定になるでしょう。

    それよりもそちらのサイトに書いてあるとこには感銘を受けました。私も日々思っています。

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