※注意:この記事は2008年1月19日現在の状況であり、それ以降の変化についてフォローしておりません。
つまりこういうことだ。
- 携帯端末で
- 料金が一定 もしくは 安くで
- 大容量で
- 日本全国エリアで
- アプリケーションの規制がなく
- パソコンによるインターネット接続
をしたい…ということだ。
読むのがめんどくさい人のために結論を先に言う。正に「帯に短し、たすきに長し」だ。まとめると上から順に
- 自分の使用地域がエリア内ならイーモバイル。
- 動画やVoIPなど特殊用途がなければドコモ。
- いろいろしたいならauのW05K。
イーモバイルがダメならドコモ、ドコモがダメならauってことである。
私にとってモバイル通信が必要な状況は主に国内旅行と出張だ。普段の家と会社の往復でその途中で通信が必要な状況はない。車なら不可能だし通勤電車でも快適には使えない。また都市では探せばネットの接続環境はフリースポットとして提供されていることもある。
なおウィルコムはPHSなので今回は選択肢から外している。一時期よりは良いんでしょうけど。
イーモバイル
風穴を開けたのがイーモバイルだが、エリアさえ広ければ言うことはない。エリア内でのスピードなどの評判はそこまで悪くない。2月にはHSDPA
という第3.5世代技術を使ったD02NEという機種が出て下り最大7.2Mbpsを実現するようだ。しかしエリアが小さいという問題は大きい。東京、名古屋、大阪、福岡などの都市部はある程度使えるが、それ以外は当てに出来ない。逆にイーモバイルが全国をくまなくエリアにすることが出来れば通信内容などの制限が少ないため圧倒的にいい。もちろんそうなればドコモもauもこのままのサービスを続けることはなく価格や内容を変えて手を打ってくると思われる。と言うわけで手を出せない。イーモバイルの道のりは長そうだ。
NTTドコモ
以前の記事でもドコモの定額制を叩きましたが…。
HIGH-SPEED対応機種が必要で、FOMAを既に使用していても事実上端末を買い足す必要がある。どういう事かというと「定額データプランHIGH-SPEED」に加入するにはその端末は電話としては使えなくなり、通信用のモデムとしてしか機能しなくなる。つまり例えば、携帯電話としてHIGH-SPEED対応機種を持っていたとしても、それに追加で「定額データプランHIGH-SPEED」には入れない。要はこういう事だ。
- HIGH-SPEED対応機種を持っていれば、それを「定額データプランHIGH-SPEED」用のモデムとして使い、別途通話用のFOMA携帯電話を買い換える(FOMAはFOMAカードを差し替えるだけで個体の番号を変更可能。またHIGH-SPEED対応機種でなくてもよい)。
- HIGH-SPEED対応機種を持っていなければ、HIGH-SPEED対応機種を新規購入してそれをモデムとする。
どちらにしても新たな契約が必要になるし、特に既にFOMAを持っていても特典はない。だからFOMAを持っていてもauに入るかドコモにするかは値段やエリアなどサービス内容の気に入った方にすればよい。
それと大きな足枷は専用の管理ソフトからしかアクセスできない。結局そのソフトによってアプリケーションの制限もかけられている。VPNはOKになったようだがFTPは依然として使用できない。SSHは可能なようだ[参考URL:「定額データプラン」でご利用可能な通信の詳細]。しかし、SSHがよくてFTPがダメなのがよくわからない。公開鍵方式なら敷居は高いが共通鍵方式ならFTPと変わらないのに。
FOMA HIGH-SPEEDとはイーモバイルと同様の第3.5世代規格のHSDPA
方式の通信サービスで順次導入中である。HIGH-SPEEDエリア内なら下り3.6Mbps、上りが384kbpsのベストエフォート。普通のFOMAエリアなら上り下りとも384kbpsのベストエフォート。
機種については型落ちのHIGH-SPEED対応機種を買うか(初期費用を抑えられる)、PCカード式になるかと思う。型落ちのHIGH-SPEED対応機種だとBluetooth内蔵のPシリーズが現実的。BluetoothのないPCなら外付けで買うかPCカード式が良いだろう。ケーブルでつなぐのも面倒だし。で、PCカードタイプならコンパクトフラッシュ型のFOMA N2502 HIGH-SPEEDかExpressCard型のFOMA OP2502 HIGH-SPEED…と行きたいところだがまだ発売されていないし予価はわからない。慌ててサービスを開始したのが垣間見られる。
結論としてはドコモがいいのなら新端末が出るまで待つ方がいいと思う。USB型ならFOMA A2502 HIGH-SPEEDが最近出たのでそれでも良いかと思う。しかし私は専用アプリケーションがうざく感じる。ダイアルアップのように使いたいし不要な常駐ソフトは入れたくないので、通信料金に関しては上限が決まっている安心感はあるが却下。
FOMAのデータシート
FOMA HIGH-SPEED | FOMA | |
---|---|---|
上り | 384kbps | 384kbps |
下り | 3.6Mbps | 384kbps |
最低額 | 最高額 | ||
---|---|---|---|
料金総額 | 4,200円+840円 =5040円 |
10,500円+840円 =11,340円 |
|
転送データ量 | 50万パケット =~64MB |
0.0126円/パケット | 100万パケット =128MB~ |
840円はプロバイダのmoperaの料金。多分、普通に使えば最高額に達すると思う。最近は平気でデカい添付ファイル付のメール送ってくる奴もいるし。ちなみに1パケット=128B(バイト)。
参考URL:山田祥平のRe:config.sys「ドコモならどこでも使える」
au
比較的シンプルなのがau。通称PacketWINというCDMA 1X WIN
技術を使った第3.5世代技術のサービス。CDMA 1X WIN内なら下り3.1Mbps、上り1.8Mbpsとなり、それ以外は下り2.4Mbps、上り144kbps、もっと状況が悪いと下り144kbps、上り64kbpsと大まかに3段階のエリアがあるようである。
ただ店員や方々の話をまとめると3.6Mbpsはおろか2.4Mbpsも出ないとの話である。ただエリアは広く、通信の品質はエッジよりはいいというくらいのようでそこまで良くないとのこと。ただ、Webブラウジングやメールチェックではそこまでストレスはなく、ファイルのサウンロードや動画再生で著しく転送レートが低下するようである。後はアプリケーションの制限はなく、通信量の帯域制限があるとのことです。多分、同じ基地局を使う人が少なければ通信状態が良く、多ければ制限されると言うことでしょう。しかし、通信量の帯域制限を意識的にかけることをベストエフォートと言うのかは若干疑問が残る。
auのデータシート
EV-DO Rev.A | CDMA 1X WIN | CDMA 1X | |
---|---|---|---|
上り | 1.8Mbps | 144kbps | 64kbps |
下り | 3.1Mbps | 2.4Mbps | 144kbps |
最低額 | 最高額 | ||
---|---|---|---|
フルサポートコース | 3,150円+945円 =4,095円 |
6,930円+945円 =7,875円 |
|
シンプルコース | 2,205円+945円 =3,150円 |
5,985円+945円 =6,930円 |
|
転送データ量 | 0パケット =0MB |
0.0525円/パケット | 7.2万パケット =9.2MB~ |
945円はプロバイダ料金。フルサポートは初期費用を抑えて2年かけてハードウェアの料金を分割する仕組みであり、通信に関してはフルサポートもシンプルも変わらない。W05Kが安くで入ればシンプルにした方がいい。auの携帯契約者は同名義にて使用の場合セット割りで315円安くなる。あと、いわゆる無料通信分がないのでどう考えても毎月最高額に達すると思われるが、最高額はドコモやSoftBankと比べても安いのがメリット。ドコモと同じく1パケット=128B(バイト)。
参考URL:
SoftBank
使う気はないがまぁ調べてやらないのも可愛そうだから駅前のSoftBankに行ってきた。
SoftBankにもソフトバンクコネクトカードというデータ通信カードC01SIが存在する。通信方式はドコモと同じと思って差し支えない。3Gハイスピードエリアはほとんどないようだ。そして最大の懸案として従量制しかない。基本料金11,130円で42,000円分(427.2MB)の無料通信分があるというプランはある。どちらにしてもSoftBankの店員でさえ「やめた方がいいと思うよ」という対応だった。
素直に従うことにした(笑)。
折角なのでSoftBankのデータシート
3G | W-CDMA | |
---|---|---|
上り | 384kbps | 384kbps |
下り | 3.6Mbps | 384kbps |
定額制がないため一番無料通信がセットされているデータバリューパックスーパーだと
最短契約期間 | 350万パケット =427.2MB付 |
|
---|---|---|
2年(-25%) | 7,950円~ | 0.0126円/パケット |
1年(-15%) | 9,010円~ | 0.0126円/パケット |
なし | 10,600円~ | 0.0126円/パケット |
意外にSoftBankは無料通信分が多くある。週5日をメールチェックとブラウジング10分程度なら最低額で収まるかも知れない。少なくとも通信カウンタは必須である。SoftBankは通信量をB(バイト)単位でパンフに書いてくれているが、ここから逆算すると1パケット=122B(バイト)となってドコモやauと1パケットの大きさが違うのが若干気になった。ヘッダサイズとかを外して書いてあるのかな?
総括
やはり強者は出し惜しみをしてライバルの出方を見てから勝負しようとしている。ドコモのHIGH-SPEED対応エリアはまだ大きくはないはずだが、アプリケーションの制限をかけずにauより高い1万円前後で提供してもある程度勝ち目があると思われる。それをしないのはまだauの高速通信可能なエリアが小さいことを意味している。
赤看板のドコモショップでさえ、定額制を使ってPCでデータ通信をしたいと言っても64kのつなぎ放題を勧めて来やがり、どこのキャリアでも「PCででーたぁつうしん?…そんなのわかんない。そんなこと聞かないで。」という顔色を隠さずに対応される。でも情報やサービス欲しい人はたくさんいるだろう。
コメント♪につられて
定額ほしいなほしいな
☆匿名 さん
結局、IIJのタイプDにしました。
月々1万円と少し高いですがDocomoと同じネットワークでダイアルアップで出来るのでポート制限はありません。
九州一周の際でつながらなかったところはほとんどなかったと思います。錦江湾を渡っているときのフェリーの上でもつながりました。速度は私にとっては十分です。
なんとも魅力的ですね。
契約してしまいそう・・
参考にさせていただきます。
ありがとうございました。