2009.05.28

クロマティック・チューナーの簡易性能テスト


前々から疑問に思っていたクロマティック電子チューナーの性能テストをしてみました。

以前、オケを教えに行っていたときにヴァイオリン初心者3人集のおばちゃんが来ていて(多分同じ教室に通っている)、チューニングが出来なかった。チューニングが出来ないのにオケってどうよ?って思うわけですが、しょうがないのでチューニングを教えてました。おばちゃん達は「大体は5度を耳で合わせて、後はチューナーで正確に合わせて良いですか?」と聞いてきたので、「大体はチューナーで合わせて、耳で正確に合わせてください」といいました。普通に5度で合わせられる人にとってチューナーのメーターで合わせるのが如何にずれが大きいかは肌で感じているわけですが、それが実際にどれくらいかはわからないわけです。

機材

手持ちの機械は「YAMAHAのCHROMATIC TUNER TD-12です。それしかないのでとりあえずはこれで。KORGの「GA-30/CA-30」もそっくりなんで中身は同じだと思います。

ThinkPadT60にUSB接続でM-AUDIOの「FAST TRACK PRO」をつなげてそこからRCAにパワーアンプ、スピーカーと出力しました。テスト信号用の音を出すソフトはWaveGeneを使用しました。マイクはベーリンガーのECM8000

このチューナーは出した音に対して許容量内だとグリーンのランプが点灯して、それより低いと♭の方に赤いランプがつき、逆に高いと#側に赤いランプがつく。今回の試験はこの機器が考えている許容量がどれくらいかを調べるのが目的になります。

設定値より若干音が高い場合は右の赤も点灯。低い場合は左の赤が点灯する。 設定値通りの周波数の場合はグリーンのみが点灯

実験開始

マイクはベーリンガーのECM8000

1)チューナーの基準を441Hzにした場合

440.2で♭が点灯する。
440.3では点滅状態。
440.4~441.6でグリーンのみの点灯となる。
441.7では点滅状態。
441.8で#が点灯する。

2)チューナーの基準を442Hzにした場合

441.2で♭が点灯する。
441.3では点滅状態。
441.4~442.6でグリーンのみの点灯となる。
442.7では点滅状態。
442.8で#が点灯する。

3)基準を442Hzにして221Hz周りを測定した場合。

221でも不安定。左右にメータが振れ、♭、#がそのたびについたり消えたりする。
220は♭が点灯する。
222は#が点灯する。

4)基準を442Hzにして884Hz周りを測定した場合。

882.7~885.3はグリーンのみの点灯となる。

考察

・442Hzと441Hzでは許容範囲に大した違いがない。
・低音は測定環境の影響もあるかと思うが安定しない。スピーカーが連続して一定の音を出すのが意外と難しいのかも知れない。安定した音が出ていたなら許容範囲は少ないと考えられる。
・高域になれば許容範囲が増す。

許容範囲に関しては周波数が上がるにつれて増すことは予想できる。

442.6÷442=1.001357466063348416289592760181
885.3÷884=1.0015837104072398190045248868778
で割合的にはあまり変わらない。対数的に見れば同等と予測できる。

442Hzにしてメーターを見て合わせる場合、最大で1.2Hzの差が出来る。こうなると基準音が441Hzか442Hzかとか言っている世界ではなくなる。メーター視認でチューニングすることは無意味だと改めて認識した。A以外を5度を聴きながらチューニングもメーター視認で正確な5度になることはほぼない。

あと、5度チューニングが出来ないからってチューニングは適当で良いなんて無責任なことを言い放つことは控えて欲しいもんだ。まぁ、その人も出来ないからそんなこと言えるんだろうけど。出来るのならA以外をチューナーなんか見て合わせることもないだろうし。自分の中で5度をしっかり取れて他の楽器や奏者の癖に合わせるもので、どんなジャンルでも同じだ。音程の悪いエンヤなんかない。

スピーカーとチューナー あと、音感がないからチューニングが出来ないと言っている人。チューニングは確かに難しいけど、周波数の差によって発生する「うなり」を聴けば出来るので訓練で出来るようになる。それは音感ではない。1.2Hzのうなりなんて普通は強烈なんだけどな。二つチューナーを持っているのなら1Hzずらして(例えば442Hzと441Hzとか)にして鳴らすと1Hzのうなりが聞えてくる。それが出来るならチューニングは出来る。本来は聞き分けることよりも重音を安定して弾くことが難しいから大変なのだ。安定した重音を出せないとうなりも聞えにくくなる。そもそも5度が合わせられないのなら合奏にもならない。チューニングとは実は合奏の練習にもなっているわけだ。

私も人に聞かれれば「チューニングは出来ますよ」と言うわけだが、もっとシビアな人が聴けば不満に感じるかも知れない。慣れでやっているが「これで絶対完璧」なんて言えない。数学的に言うと小数点第何位までやるか…みたいな事で、それは人によって変わってくるはずだ。

また普通チューニングがずれていると演奏中に気がついて休憩中にチューニングすることになる。いつものポジションで弾いてもずれを感じるからで、それは普段チューニングが合っている状態で弾いていることが前提で、練習する度にチューニングが微妙に違うとポジションも安定せず変わってきてずれを気づかなくなる。大切なことは練習で「基準」を作ることだ。そのためにチューニングをちゃんとするというのが出発点であることは明白である。

カテゴリー: 音楽・コンサート パーマリンク

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