橋下府政の影響から補助金を削減されて大阪センチュリーから日本センチュリーに看板を掛け替えてから私が行った初めての演奏会。かーなり前にゲーリー・カーとのドヴォコンで聴いて以来かなぁ…。あれは良かったけど。オケのコンサートっていつ以来だろ?
今回は中プロのパスカル・ロジェが弾くサン=サーンスのピアノ協奏曲5番がお目当てでした。実はデュトアと彼のサン=サーンスのピアノ協奏曲全集は私が初めて買ったCDです(笑) ちょっとディープなスタートの様な気もするけど…でもいい演奏です。
日本センチュリー交響楽団第176回定期演奏会
2012年11月1日 19時開演
会場:ザ・シンフォニーホール
– プログラム –
- カジュガリエフ:バレエ音楽「大草原の伝説」より序奏と交響的スケルツォ(日本初演)
- サン=サーンス:ピアノ協奏曲第5番ヘ長調Op.103 「エジプト風」
- 休憩
- プロコフィエフ:バレエ組曲「ロメオとジュリエット」Op.64より
- モンタギュー家とキャピュレット家(第2組曲第1番)
- 少女ジュリエット(第2組曲第2番)
- 仮面(第1組曲第5番)
- ロメオとジュリエット(第1組曲第6番)
- 踊り(第2組曲第4番)
- 修道士ローレンス(第2組曲第3番)
- ティボルトの死(第1組曲第7番)
- 別れの前のロメオとジュリエット(第2組曲第5番)
- ジュリエットの墓の前のロメオ(第2組曲第7番)
指揮:アラン・ブリバエフ(Alan Buribayev)
ピアノ:パスカル・ロジェ(Pascal Rogé)
管弦楽:日本センチュリー交響楽団
ゲスト・コンサートマスター:山本 友重
客入りは意外に多かったです。概算で1400~1500人くらいかな。正直もっとガラガラかと思っていたけど多分パスカル・ロジェのパワーかな。
1曲目のカジュガリエフは指揮者のブリバエフの出身国であるカザフスタンの作曲家の曲で日本初演だそうです(指揮者と作曲家の名字が混乱しそうな感じ…w)。フル3管編成でバスクラ、コントラファゴットまで入っていて、打楽器も4,5人はいた。曲は序奏が大河ドラマのオープニングっぽい音楽でスケルツォは吹奏楽コンクールの課題曲みたいな感じ。悪くもないけどCD買って聴きたいな…って曲じゃないな。こういう所で前プロとしてやるのが正解だと思う。[指揮者の曲目解説PDF:80KB]
さて2曲目のお目当てのサン=サーンスのエジプト風。この曲も好きだしロジェの演奏も好きなんだけどライブだとどうなるのかと思いましたが、CDの印象とは結構違うけど良かった。まぁCDはかなり昔に出した物だからね。フレージングがライブ向けに若干誇張された感じだったけどそれも心地よい感じでした。CDからもわかっていたけど確実に撃ち抜く打鍵は良かった。あの柔らかい音色は柔らかく鍵盤を触ったら出ると思っている人も多いと思うけど、あれは間違いなく腕の重みを躊躇せずに鍵盤に乗せている弾き方。実際に見てもそれがわかる。あとやはりペダリングが凄い。ペダルは誰でも踏めるけど、肝心なのはどう音を止めるかです。踏み続けると音が濁るからね。でもどこもかしこも踏んでいるわけではなくて、きっちり拍数分鍵盤を押しているのも感じ取れました。2楽章から3楽章へアタッカで入り気持ちよく上り詰めました。CDでは聞こえなかった細かい音も聞こえて満足。でも回りくどさは感じない所が凄いなと思いました。あまりにも清潔に弾くから巨匠なんだろうけど巨匠と感じさせない親しみやすさがあり、ピアノってこんなに音が綺麗なんだ、サン=サーンスのピアノ協奏曲ってこんなに楽しいんだと言う印象でしかない。プロといえども簡単な曲ではないと思うけど。ただ、ちょっと指揮者がコンチェルトが苦手なのかなという印象も若干感じました。細かく振りすぎというか。
アンコールもあってサティのグノシエンヌ第5番という小品。限りなく清潔な感じ。多分ピアノはスタインウェイだと思うんだけどキンキンした感じが全然感じられない。あれはホント不思議だ。あー、ロジェのブラームスのピアコンでも聴いてみたい…皇帝でもいいけど(笑)
3曲目はソフトバンクのCMで有名になったプロコのロミジュリ。これってCD持ってないから曲をよく知らない。買いたいとも思わないし(笑) 曲間で携帯が鳴っていたな。あんだけアピールしてもあかんねんよね。私の場合は電源を切っています。むかーし、使っていた携帯が(N-501iだったかな)マナーモードにしていてもある確率で0.1~0.3秒くらい鳴ることがあったんよね。「チャラ!」って。メンデルスゾーンのイタリアの冒頭を使っているけど6/8拍子の2つくらいの音符が鳴る(笑) 同じ携帯持っている人に聞いたら同様の症状らしい。それからマナーモードを信用しなくなりました(笑) 今回の場合はそういう問題じゃないだろうけど。ま、曲間だったのが救いか。
演奏は全体的に言えることなんですが、管楽器は及第点だと思いますが弦楽器が良くない。特にVnの後ろのプルトから音が聞こえてこない。で、これって何でだろう?って考えていたんだけど、低弦の発音が遅いからだと思うに至りました。うん、低弦の発音がかなり遅い。だから低弦のメロディーでもモゴモゴしていて分離が悪く聞こえない。コントラバスも遅いけどチェロもかなり遅い。木管の和音と低弦の拍頭ピチカートのトゥッティでもピチカートが後から聞こえる。それっていいのかな? あかんよねー? 特にコンバスが休みだったり管と動いていてチェロが高弦を支える様な状況になると不安定になる。昔はこんな事なかった様な気がするんだけどなぁ。ちょっと弦楽四重奏でも練習したら? だから弦全体が音量が小さく感じるんですよね。もちろんチェロそのものも。もっとがんばって大きな音を出せばいいって感じでなくて排気量が小さいって感じ。これが良くなれば全然見違えると思うんだけどなぁ。管楽器はホールを鳴らしてる感じはあったけど弦は上滑りな感じでした。前の方はちゃんと弾いてるのはわかるんだけど。ロジェも「重いオケだなぁ」と思って弾いてたかもよ?
終演後、団員がお客の見送りをしていたのは興味深かったです(個人的にはやらんくてもいいような気もしますが…)。コンサートにどうしたら客が来るか足掻いて欲しい。「コンサートしています。客が来ません」ってそりゃそうでしょ。音楽家は橋下の芸術予算削減を快く思っていない人が多いと思いますが、私はある意味良かったと思っています。ここでは広げないけど音楽家の態度がクラシックの市場を狭めているとしか思えないからです。室内楽や近辺のアマオケの指導とか積極的にしたらいいんじゃないかな。すぐに効果は出ないかも知れないけど一つずつ拾っていったらそのうち山になると思います。
話変わるけど、一緒に行ってくれる可愛い彼女が欲しい! 以上!(笑)
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