ヨーヨー・マのコンサートのチケットを買いに行ったときについでに買ってしまいました。少し調べると前回の来日は2004年でその時大阪ではフェニックスホールでやったみたいですが、強気の集客計画ですね(笑)
ワディム・レーピン ヴァイオリン・リサイタル
- ワディム・レーピン(ヴァイオリン)
- イタマール・ゴラン(ピアノ)
– プログラム –
- ドビュッシー:ヴァイオリン・ソナタ
- プロコフィエフ:ヴァイオリン・ソナタ第1番 ヘ短調 Op.80
- 休憩
- ベートーヴェン:ヴァイオリン・ソナタ第9番 イ長調 Op.47 「クロイツェル」
2008年11月30日 15時開演
会場:ザ・シンフォニーホール 主催:朝日放送
ヨーヨー・マの時と同じく「弦楽器一本とピアノでシンフォニーホール」だったのでイマイチかなぁと思っていたのですが杞憂に終わりました。席も良かったこともありますがやはりヴァイオリンの音は届きやすいのでバランス的にも問題ありませんでした。それともガルネリの力か?
印象としてはレーピンがデカい(笑) ヴァイオリンが分数の楽器に見えます。演奏はスピード感があって重さは感じさせないけど、だからと言って軽いわけでもなく音楽を絞り出してくる感じがしました。弓圧を上げるよりは弓の使用量を増やして音量を稼ぐタイプ。その方が楽器もよく響くんだろうけど。昔は松ヤニ飛ばしながらガシガシ弾く人が多かったけど最近はそういうの見ないね。
イタマール・ゴランってピアニストは初めて聴いたけど良かった。そもそも男二人で音楽を作り上げているって言うのもカッコいいし、ゴランもレーピンに違わずスピード感抜群です。レーピンについて行っているわけでもなく勝手に先に行っているわけでもなくて、そのバランスが絶妙です。ヴァイオリン・ソナタのピアノは「伴奏」ではないですからね。やっぱ、こうでなくっちゃね。日本にもこんな感じのピアニストが増えればもうちょっとクラシックも見直される…かも知れません。
演奏に関してはドビュッシーは多少ですが「取りあえず弾いてる感」が感じられました。曲にある「遊び」の部分はもう少し歳を取った方がこなれてくるんではないかな。ドビュッシーのソナタってヴァイオリン以外もそうなんだけど、ピアノパートとソロパートがほとんど重ならなくて、むしろ全然違うことをして一つの音楽にしていますが、弾いている方はもとより聴いている方も難しいなぁと感じることがあります。12音技法のような難しさとはちょっと違うんだけど。ああいう曲って1人で練習していても意味不明だろうなぁ。ブラームスのヴァイオリン・ソナタの3番とかもピアノパートとヴァイオリンパートが重ならないように作られているとか言われるけど、それよりもっと高度な重ならさ(?)って感じです。
プロコはお手の物というか弾き慣れていることもあるでしょうから、私があまり聴いたことがなかった曲であってもガッツリ突き刺さってくる部分はたくさんありました。クロイツェルは言う事無しです。特に弓のスピードが速いので重音を弾ききる様は見ていても爽快です。
アンコール曲はチャイコフスキー:ワルツ・スケルツォ Op.34、ショスタコービッチ:24の前奏曲 Op.34より第5番、ブラームス:ハンガリー舞曲第7番でした。初めアンコール曲の掲示でショスタコの曲が「調査中」ってなっていたのには笑えました。
ついでに買ったチケットの割には良かったし、次世代を担うヴァイオリニストを聴けて満足です。
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